夏の夜風が心地よく吹く週末、なんばパークスガーデンで「線香花火ナイト」を開催しました。
ライトアップされたガーデンには、ゆらめく緑と静けさが広がり、昼間とはまったく違う“夜の森”のような表情に。
手のひらでそっと灯した火花のきらめきが、訪れた人々をやさしく包み込み、夏の終わりを感じさせる風情あるひとときとなりました。

火花がつなぐ、記憶と文化
ガーデンの入り口には「線香花火」の赤いのぼりが風に揺れ、立ち止まって眺める人の姿があちらこちらに。
会場には、ご家族連れや友人同士、カップルのほか、ポーランドやインド、ベルギーなど海外からの旅行者までさまざま。
年齢も国籍も違う人々が、小さな火花を囲んで静かな時間を共有しながら、それぞれの夏の終わりを楽しんでいました。
初めて手持ち花火にふれる小さなお子さまが、揺れる火花をじっと見つめたり、思わず笑みをこぼす様子は、周囲を和ませるあたたかな光景に。
親子で火を灯す姿もあれば、花火をそっと見守る大人たちの表情も印象的でした。
今回のイベントでは、関東と関西、それぞれで形や趣の異なる2種類の線香花火をご用意。火花の散り方や燃え方、持ち方にまで細かな違いがあり、その繊細な違いに「こんな違いがあるなんて知らなかった」「両方とも体験できて面白い」など、驚く方も多くいらっしゃいました。

海外の方々にとっても、心に残る夏の体験に
海外から訪れた方々からは、「母国では花火は打ち上げるもので、手に持つものは見たことがない」といった声が聞かれました。
そっと火を灯し、静かに揺れる火花を見つめる時間は、日本の夏ならではの風情を感じる特別な文化体験となったようです。
「音が静かで、とても美しい」「花火なのに騒がしくないのが新鮮」といった感想も寄せられ、線香花火が持つ“静かな魅力”に、あらためて気づかされる場面もありました。
近年は、街中や公園で花火を楽しむことが難しくなっている中で、自然に包まれたガーデンという環境の中、安全に体験できるこの機会は、大人にとっても懐かしく、やさしい時間となったのではないでしょうか。

緑と静けさに包まれて、心がほどける夜
目の前で揺れるひとすじの光にそっと心を寄せながら、参加者それぞれが思い思いに、夏の終わりを感じるひとときを過ごしていたようです。
移ろう季節とともに表情を変えるパークスガーデンでは、これからも自然の魅力を感じられるイベントをお届けしてまいります。
次はどんな風景が広がるのか──また季節をひとつ進めたガーデンで、お会いしましょう。